2007年9月30日日曜日

追記 ?

追記:九月一日からドイツのシュツットガルトで開かれた体操世界選手権大会でブラジルのDiego Hypolito が男子床で金メダルを取りJade Barbosa は女子個人総合で三位となった。世界のトップクラスと競っての成績で伝統のないブラジルとしては快挙といえよう。
実は冒頭にある追記という言葉、普通は文の最後にあるのだがこれは八月のパンアメリカン競技大会の話の続きという事でご勘弁を。日本ではこの言葉あまり使われないと思うがブラジルではこの P.S. ちょっと前まではよく使われていた。これはラテン語のPost-Scriptum の頭文字から取ったもので文字どおり“追記”という意味で手紙など書き終わった時に書き忘れたことを書くのに使われたのだがラテン語というと格好いいし、インテリに見られるということでよく社内の文章にも使われていた。これは本来はそんなに大事なことを書くようにはなっていないのだがなにしろ文の最後に来て印象に残るので上のほうではまあまあのことを書き最後の追記で大事なことを書くような悪習がついてしまった。そうなると追記というよりむしろ特記とでもすべきだろう。コンピュータ時代になって P.S.はあまり使われなくなったとおもうが。1980年代 (これは私個人の経験だが)このP.S.以外にもラテン語が社内の文章にもちりばめてあった。特に弁護士からの手紙などによくあった。会議中にも“この条件は Sine qua non だ”などと言っていた。“それなしではだめだ”というラテン語で必要絶対条件とでもいうのだろうか。しかしラテン語で言ったほうが学があるようにみえるし実際そういう人しかうまくつかいこなしきれない。そのころはとうとう小さなラテン語の辞書まで買ってしまった。古き良き時代か。
ラテン語は古代ローマ帝国の言葉でありその勢力はほぼヨーロッパ全域に及んでいたため現在のイタリア語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語などに受け継がれている。これらは兄弟語ともいうべきでここブラジルはポルトガル語だがニュースでスペインの首相の演説をテレビなどでみると殆どなにを言っているのかわかる。フランス語は発音は難しいが書いてあるものは優しい文章だと大体わかる。ヨーロッパで数ヶ国語に通じているといってもそんなにずば抜けた天才でもないと言えようか? この前屋根裏の古い本を片付けていたら私が日本で高校時代に使っていた英語の単語集がでてきた。難易度に従い四つにくぎってある。1はbe とか go とか get とかの基本用語。4になると長い単語ばかりでさすがに難しそう。しかしめくってみてびっくりした。ほとんど解るのである。これは英語の難しい学術用語、専門語はラテン語から来ているということで西洋語に共通しているのではないかと思う。
世界の意思の疎通を図ろうとポーランドのザーメンホフが希望という意味のエスペラント語を作ったがそれほど広まらなかった。ちなみに希望という言葉、ポルトガル語およびスペイン語ではエスペランサという。世界は金で動いているのか、一番影響力のある米国の英語が国際語としてはばをきかせている。これは私見であるが英語の簡潔明瞭な文章は好きである。国際語になりうる どうもラテン語系の文章はまわりくどい。
エスペラント語もっと広まってくれないかなー。哀れな凡人のなげきか。