戦中および戦後の初めにブラジルの日系人の間に何かあったのではないかということはブラジルに関心をもつ日本人や一般ブラジル人の間でもわかっていたのではないかと思う。私が見た範囲でもノンフィクション作家の角田房子が書き毎日新聞社から1966年に発行された『アマゾンの歌』(こちらの日本語新聞に連載され毎日、新聞が来るのが待ち遠しかったのを思い出す)が同名の映画「アマゾンの歌」(仲代達也主演でアマゾンのパラー州に入植した日本移民の話)として製作され後にNHKで見たように記憶しているがその中でも出ていたように思う。
そしてNHKが「放送80周年記念」として豪華キャスト(森光子、野際陽子、米倉涼子、仲間由紀恵、等々)で製作しここブラジルでは2008年に日本移民百周年記念の一環としてNHKから放映された「ハルとナツ 届かなかった手紙」の中でも日本人同士の抗争を垣間見ることができた。
ブラジルのテレビ業界NO1で特にドラマ制作では世界中に販売網を広げているグローボ社が製作したドラマにも戦後のイタリア移民の話の中にも適性国移民の苦悩のエピソードの一つとして日本人移民同士の争いが扱われていた。
戦中、戦後の日本移民を語るには避けて通れない事件ではあるが日系コロニアとしては腫れ物を触るように取り扱ってきたように思う。今回のブラジル映画のCorações sujos (汚れた心)はそれを真正面から見すえた映画としてみんなの心に残るのではないかと思う。
先週の日本語新聞にはドイツ移民の多いブラジルの南部の州に海外最大のナチスの結社があったと伝えていた。
クリチーバの娘婿の両親の家に挨拶に行った時、私が映画を見てきたと話をし戦中戦後の日本移民の話をすると自分たちもだと当時の苦労話を語りだした。クリチーバのイタリア会館は没収され戦後もかなり経って返還されたとか、「私たちはナチス、ナチスと言われたけどナチスじゃなかったのよ」とか当時のエピソードが随分出てきて話に花が咲いた。ちなみに婿の父親はイタリア系、母親はドイツ系私は帰化ブラジル人で日本生まれ。最後に婿の父親が「まるでこれでは「枢軸国間の密談」のようだな」と言ったのでみんなで大笑いとなった。
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