6月30日、リオのマラカナン・スタジアムでコンフェデ杯の決勝戦が行われた。
入場券は今年の一月に買っていたのだがリオまでは遠いし足の調子もよくないので行こうかどうしょうか迷っていた。ところがブラジルが段々調子をあげてきてA組のリーグ戦では3戦全勝、準決勝でウルグアイを破り決勝戦へと。B組ではスペインがやはりリーグで3勝し準決勝ではイタリアとのペナルティキック決戦を制し決勝戦へと。これは初めコンフェデ杯の組み合わせが決まったときにブラジルが望んでいたものだ。
こうなると私もリオに行かないわけにはいかない(?)航空券さえ買えば息子のマンションに転がり込める。息子の住むBotafogo からマラカナンまでは地下鉄で乗り換えなしで行ける。
1時から3位決定戦で決勝戦は7時から。しかし5時半から歌手のショーがある。3位決定戦をテレビでみて出かけよう、どうせ3時までには終わるだろう。イタリアとウルグアイの試合も面白く2対2の引き分け、これから延長戦それからペナルティキック決戦となると1時間はかかる。混雑する前に着きたいので予定通りの3時に家を出た。あとでイタリアがまたも延長戦の末、ペナルティキック決戦を制し3位になったことを知った。
地下鉄の電車の中は黄色いシャツでいっぱい。私も前日買った黄色のシャツで。国旗で身を包んでいる人もいる。マラカナン駅は地下ではなく路上だ。そこからスタジアムまでは陸橋でつながっている。今各地でデモが起きているので軍まで出動してスタジアムまでの道の警戒に当たっている。W杯そしてこのコンフェデ杯のために新装なったマラカナン・スタジアム、以前とは違ったモダンな装いとなった。ショーが始まると観客も盛り上がってきた。
やがて出場選手の名前と顔が場内の四つのスクリーンに映し出される。ブラジルの選手の時はすごい拍手。しかしスペインの選手の時はブーイング。国際試合でもライバルチームとやるときと何の変りもない。やがて試合が始まる。ブラジルの選手がちょっといいプレーをすると拍手、相手がへまをやるとヤジが飛ぶ。確かにこれは観客ではなく応援団だ。これではブラジルの選手たちも勢いずくだろうと思った。ブラジルの選手がドリブルでゴール近くまで攻めてくると前の席の人たちが皆立ち上がる。こちらも立ち上がらないと見えない、ちょっと遅れるとゴール近辺の攻防を見損なう。周りがすごく叫んで応援しているので年寄りの弾力のない耳はたまらない。
ネイマール選手もゴールを決めブラジルが3対0で勝った。スペインはペナルティを決めれず、すでにゴールに入ろうとしていた球をブラジルの選手が滑り込んできてはじき出した。得意のパスワークもいつものように華麗とは言えず今日は確かにスペインの日ではないなと感じた。
ブラジルのこの選手と7万人以上の観衆が一体となって試合を盛り上げる。すごいエネルギーが選手に伝わりそしてこのエネルギーは相手選手をしぼませる。開幕戦のブラジル対日本の時もこんな風ではなかったのではないかという気がした。
コンフェデ杯の16試合の観客動員数は一試合平均5万人強だったとか。FIFAも満足したようだ。
さて来年のW杯、コンフェデ杯を制したものは翌年のW杯を制したことがないというジンクスを破ることができるか。