2016年1月21日木曜日

きんらんどんす!

今日の朝のサエキサンドは無事トマト付きでOK.

しかしなぜか今トマトが高い。スーパーでも近所の八百屋でもキロ10Reaisで売っている。為替が今1ドル4.15へアイスなので10へアイスで約2.4ドル。この地方で今までこんなに高くなったことはない。インフレは年に11パーセントでここ何年かで最高、ブラジルの通貨は弱くなる一方、全世界でガソリンが下がったというのに石油産出国のブラジルでは上がる一方。
これでは国民の暮らしは苦しくなる一方。
ブラジルよどこへ行く?? 泥沼に向かっているのは確か。

さて今日も妻の一言が私の耳に引っかかった。

私は今白内障の手術をしている。先週は右目、来週の火曜日は左目となっている。
日本に行く前に左の眼鏡が合っていないようなので眼科医に行って度を測ってもらい眼鏡を買い替えようと思っていた。ところが良いと思っていた右に白内障が出ていますと言われて左は度を修正すれば良く見れるようになりますとのことだった。どうせ歳とともに悪くなる一方だから右も左も手術はしますが日本に旅行をするので帰ってからにしますと伝えた。眼鏡はマルチフォーカスなので何とかしのげる。

目の手術だったらこの医者と決めてた医者がいたのでそこに頼もうと診察を予約。彼は家の次男が1999年に近眼の手術をした時の担当医でその当時はエスピリトサント州ではレーシックの手術はしていなかったので彼がミナス州の州都ベロ・オリゾンテ市で共同でやっている診療所で手術することになった。レーザーでの手術で数分だったような気がする。当日は透明の穴の開いた保護眼鏡(?)をかけてホテルで休息。翌日経過検査に診療所に行くことになっていた。

ホテルは診療所のすぐ横だったので息子と歩いて行き待合室のドアを開けた。ばかに騒々しい保護眼鏡をかけているものといないもの。しかし表情は皆同じ、大きな笑い声が部屋いっぱいに満ちている。今までこんなに陽気な医者の待合室を見たことがない。
「よく見えるようになったぞ、あんたはどうだ」 「手術があんなに簡単とは知らなかったよ」
「よかったな、これからは眼鏡なしで生活できるぞ、何年ぶりだろう」、etc. etc. etc...

午後、空港でVitóriaに帰るべく待っていると手術をした医者が近寄ってきた。いろいろ話しているうちに彼が来月からはVitóriaで手術を始めると言った。時間があればそれでもよかったが息子は軍警大学に入りたいので眼鏡をかけていては不利なのでそれまでに手術をしたいと言ったので願いを聞いてやった。しかし彼は入試直前になって今度はジャーナリストになりたいと言い出し踵を返してしまった。

しかし彼はよく悪友たちと出かけてはカーニバルでは夜じゅう騒いでつい一週間前に買った輸入物のドイツ製の眼鏡を踏んづけて壊してしまったりで金がかかった。だからこの手術は少しは高くついたがコスト・利益の面では大いに黒字になったような気がする。
あれから17年、結婚し娘までいる彼はいまだに眼鏡なしで暮らしている。

ヴィトリアでもレーシックの手術ができるようになったので長男にも手術を勧めたが彼は「眼鏡は小さい時からの僕のステータス・シンボルでこれなしの自分は考えられない」と難しいことを言ってきたので「ああ、そうか」で終わってしまった。

診察を予約した日医者と昔の話などして手術はあなたにしてもらいたいと申し出ると知り合いの白内障専門医を紹介しますとインターネットでコンタクトしそこで診察日まで決めてくれた。どうやら彼は近眼や老眼のレーシックを専門にしているようだ。

12月の始め手術の打ち合わせに医者の所に行った。いろいろ検査して手術には何も問題ありませんが12月の中旬から1月の初めまでは休んで手術はしませんので初めの手術は来年の1月12日となりますとのこと。承知した。これはブラジルでは習慣なのか年末年始に医者とアポを取るのは難しい。

彼は火曜日しか手術をしないので12日の朝9時が私の番となっていたが何か行くと前に4人いる。瞳孔が開く目薬を何回か刺されて手術室に行く。麻酔は飲みも打たれもせず医者の説明を聞きながら手術が進む。どこも痛くもかゆくもない。私はマルチフォーカスのレンズを入れてもらうようにした。 終わった後右目に保護眼鏡をかけられ処方箋をもらって出る。抗生物質が入った目薬を一週間さす。そして今日からはほかの目薬をさしている。

今朝、私が「ようやく眼鏡なしに違和感がなくなったよ」と妻に言うと「あら、あなたきんらんどんすではなくなったの?」 「なんだそれは?」

ここからは妻の話。
私が小さかった頃、おひなまつりの日になるとおばあちゃんが箪笥の奥から日本から持ってきた日本人形やこちらで私が買ってもらった人形などを集めてトマト箱(サンパウロの中央青果市場に野菜を出荷するための箱で寸法が規格されていたもの)を壁の下の方から積み重ねてその上に赤い毛布を敷き一番上に日本人形そして他のを下の方に並べていたの。

いろいろ置いているうちに揺れるのでおばあちゃんがお父さんに頼むの。
「この一番上の箱をしっかり止めればグラグラしないから釘で打ち付けておくれ」
「ちょっと、眼鏡をとってくるよ」
「お前いつも眼鏡探しに手間取って困ったものだね。ほんのちょっとのことだからこちらに来れないかね」
「駄目だよお母さん、だって僕きんらんどんす。」
父親はひどい近視と乱視だったの。それで近乱どんすなわけ











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