土曜日の朝いつものように朝市に出かけた。最近この辺にも新しいビルがどんどん建ち始め交通渋滞がすでに起こり始めている。これが三年後とかに新しい住民が入り今の人口の倍とかに増えるとどうなるのだろうかと心配になってくる。土曜の朝は海岸に抜ける道が近くに通っているので週末でもかなり込むことがある。さらに下水の整備で毎日のように道が掘られ通行止めの通りがあちこちでまるで迷路のようだ。これも発展の代価で我慢せねばならないのかとあきらめるしかない。朝市があっている通りも通行止めのシグナル。ここから引き返すとなるとすごい遠回りになるなと止まって道筋を考えていた時工事をしていた一人がこちらに気づき通ってよいと合図をした。道路は半分ずつ掘っているので朝市に行くものには特に便宜を図っているらしい。ここ数週間孫の恵美が週末は家で過ごしている。後ろの座席に取り付けたチャイルド・シートに座っていた恵美のシートベルトをはずして降ろす。妻が恵美を抱えて朝市に行こうとした時ばったり男の人と出会うと恵美が「Esse」と叫んでその男の人の持っているものを指差した。彼は手に持ったアイスクリームをなめ始めていた。彼は恵美の言った意味がわかったのか「 おや,お嬢ちゃん、あんたにあげたいのだけど、おじさんはもうこのアイスなめてしまったのだよ、その代わりこれを売っているところを教えてあげるよ」と言って妻をうながすように先にたって歩き出した。彼は10mほど先のアイスを売っているところへ連れて行きアイスが入っている箱を開け自分が持っているのと同じアイスを取り出し恵美の手に持たした。彼女、この「それ」という意味のブラジル語「esse」という言葉は自分の欲しいもの全て手に入る魔法の言葉と自覚しているようだ。スーパーに入ってもうっかりおもちゃコーナーの近くを通るとすぐ目当たり次第(?)この言葉を連発して目新しいものを見つけて持って帰ってくる。レジで計算を終わって出ようとするとまた「エッセ」。指差す先を見るとなんとガラス越しに喫茶店が見えケースの中にさまざまなパンやケーキが置いてある。あっ、もうおやつの時間かと気がつき、彼女の好物のチーズパンで一休みして帰路についた。おにぎりが欲しい時は炊飯器を指差し「Esse」、オレンジジュースの時はみかんを抱えてきて「Esse」, 散歩のときはくつを持ってきて「Esse」・・・・この言葉で全て用が足りるから他の言葉はあまり使わない。困ったものだ。上の写真は赤ずきんちゃんならぬ白ずきんちゃん衣装の恵美。一日中妻のあとを追っかけて掃除、洗濯、料理とがんばっているつもりらしい。
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