2018年7月12日木曜日

フランスかクロアチアか? サッカーよもやま話

ロシアワールドカップもあと土曜日の3位決定戦と日曜日の決勝戦を残すのみとなった。
ブラジルの前評判が良く決勝戦までいくと思っていたら準々決勝で姿を消してしまった。
フランスの伸び伸びとした見ていても気持ちの良いサッカーとクロアチアの執念深く相手にしがみつくサッカーが決勝戦にすすむ。今のサッカーは技だけではなく体力も大いに鍛えないといけない。クロアチアは決勝トーネメントに入って3試合すべて延長戦にもつれ込みそのうちの2試合はPK戦で勝っている。技・体力・精神力を磨けということか。

ブラジルはサッカー王国と呼ばれているがむしろサッカー狂国か。サッカークラブのサポーター達の争いで死者まで出ることがある。ワールドカップの時は国民全部がブラジル監督になるので話がはずむ。この時期は大・中・小企業が従業員がテレビで観戦できるようにとり計らう。試合の開始1-2時間前に店をしめたり、職場を離れて帰宅したり、そして試合後まだ午後の早い時はでてくる。3,4交代のある工場などは別であるが。しかし試合は午後なのに朝から車が海岸を向けて列をなしているところを見てテレビで「気の利いた社長もいるものだなー」と感心していた。しかしワールドカップ後にその埋め合わせをしなければならないと思うのだが。

ブラジル最大の民間テレビ局のグローボ社は197人を動員して全てのスタジアムに配置させ本部をモスクワに構え64試合全ての実況放送をする。外国の選手全員の名前を暗記していて早い口調で話すのであたかも試合が自国であっているような錯覚をする。日本の選手でもロシアの選手でも名前で呼んでいる。プロとはいえ良く間違いもせずに早口で出てくるものだと感心する。

ロシアの選手の中に帰化したブラジル人がいてグローボのアナウンサーがインタビューしていた。その時スマホが鳴り彼は応対して切った。アナウンサーが誰からの電話だときくと「大統領からだった」と答えた。参加国でランキング70位だったロシアが準々決勝でクロアチアと引き分けた末、PK戦で惜しくも敗れたのはプーチン大統領のはげましがあったからか。

注目の的フランスのエムバペ選手。19歳ながらフランスの快進撃を支えている。リポーターが話していた「ワールドカップで10代の選手がゴールを挙げたのはブラジルのペレー選手とあなただけです」「ありがとう、ペレー選手と比べてもらえるなんて光栄です」
ペレーは1958年ブラジルがスエーデンワールドカップで優勝したときは17歳。

試合前に国歌斉唱がある。たいていは演奏が始まって歌いだし終わったら歌い止める。しかしブラジルの国歌の場合は違う。まず前奏から始まるのでそれが終わるまでは歌いださない。そのうえ国歌が長い。演奏時間が決まっているのか、選手が歌いだすとすぐに終わってしまう。外国での試合の場合、そのままやめてしまうこともあるが4年に一度のワールドカップ、ブラジルの選手達は伴奏なしで1番を歌い終える。ブラジルの国歌は2番までありしかも長い。私は帰化したので覚えるのも大変だった。今は2番は出てこない。勿論ブラジル国内での時は一番の最後まで伴奏付きで歌っているようだ。

今回のワールドカップの傾向というか選手の背の高さがぐっと伸びた。準決勝まで行ったベルギーの選手達、4人は1m90以上。そのうちゴールキーパーは1m99.
又今回のワールドカップではセットプレーで点が入り勝負が決まった試合が多かった。しかもヘッドシュートの場合背の高いのが有利だ。やがてサッカー選手もバスケットボールの選手のようになるのか。

コロンビアは運が悪い。前回は主力選手のFalcaoが怪我で出れず、そして今回は前回の得点王ハーメス・ロドリゲスが途中から怪我で欠場。ついてない。
キャプテンのFalcao という名前は彼がファンだったブラジルのサッカー選手で代表監督まで務めた Falcãoからきたもので発音はポルトガル語ではファルコン。しかしスペイン語では aの上についている記号はないのでそのままの発音でファルカオとなってしまった。しかしブラジルのアナウンサー達はこのいきさつを知っているので実況放送しているときはファルコンとよんでいた。

今回のロシアのワールドカップ、どこのスタジアムも観客でいっぱい。中南米の国の試合の時も結構いっぱいなのでグローボが調べたところによると。中南米からの入場券は300000枚売れたという。そこで中南米の国にあたってみるとそんなに売れてないという。さらに深く調べるとアメリカ合衆国に住んでいる中南米諸国の人たちがかなり購入したらしいという答えが出てきた。そういえばこの辺のもと知人友人が今アメリカに住んでいる。

ブラジルのリポーターがアルゼンチンのエースでキャプテンのメッシにインタビューしていた。彼は今回のワールドカップ南米予選でアルゼンチンのワールドカップ参加が危ぶまれた時、1試合に3点を入れるなどしてアルゼンチンを救った立役者である。
「前回は準優勝したのですけど誰も喜んでくれませんでした。アルゼンチンには優勝しかないんですね。」 これはブラジルにも言える。

今回は試合中ストップされた時間がかなり正確に測られていたのか、規定時間後のロスタイム(additional time) が平均5分くらい取られた。その間に19のゴールが生まれチームの明暗を分けた。ワールドカップで初めて採用されたVARが人間のミスを正し試合の運行もかなりスムーズに行った。やがてわざわざスタジアムの隅まで走っていかずに瞬時に裁けるようになるだろう。

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