今週アメリカの大統領選挙で民主党のBarack Obama上院議員が第44代目の大統領に選ばれた。彼の父親はアフリカのケニア生まれ。今も祖母や一族はケニアに住んでいる。父親はハワイでアメリカ人女性と結婚、彼が生まれた。彼の生い立ちはマスコミを通して世界中に知れ渡った。彼はその後ハーバード大学を卒業、弁護士となり政界に身を投じ上院議員、そして今回圧倒的な勝利で大統領に。まさしくアメリカンドリームを身をもって演じた。さすがアメリカは民主主義の鑑とも言える国、自分たちの国に今誰が必要か民衆の判断の結果である。4年毎に必ず選挙が行われるというこの確固たる民主主義の体制がこれを可能にする。もし自分たちの判断が間違っていれば4年後にその修正をすればいい。今回の選挙戦の終盤に起きたアメリカ発の世界大恐慌の再来ともみなされている金融経済界の大混乱。将来への不安が渦巻いている。新大統領の舵取りの腕前に世界の命運がかかっているといっても過言ではない。
ここブラジルでもブラジリアンドリームとも言うべき現象が起こった。6年前の大統領選挙の時である。数名の大統領候補が一次選では誰も過半数の票を獲得することが出来ず上位二者の決選投票。ブラジル社会民主党のアウキミン候補と労働者党のルラ候補との戦いはルラ候補が制した。その就任式の時の演説で「自分は証書(大学卒業)を今まで貰うことが出来ず人生で初めての証書がこの大統領の証書となった」と声を詰まらせた。彼は自動車工場で工員として働き軍政から民政へ移行した1980年代前半組合活動に身を投じ労働者党を結成それ以来党首を務め三度目の正直の六年前の大統領選で当選した。下層階級に厚い政策で高い人気をほこり一昨年は再選を果たした。今でもまだ高い支持率を保っている。今年の日本移民百周年祭にも出席その時彼が最初に働いた所は日本人の洗濯屋でそこでよくしてもらったと若い日の日本人との出会いのエピソードを披露した。一下級労働者から大統領へと上り詰めた彼の経歴はまさにブラジリアンドリーム。彼はアメリカのマネーゲームが引き起こした今回の世界的な混乱についてお金は生産を向上させるためにのみ使うべきだとアメリカに対し労働者出身の彼らしい苦言を呈した。
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