最近近くのスーパーに火曜の夕方日本食品それもごぼう、しいたけ、とうふが並んでいると聞いて早速火曜日の午後出かけることにした。しかしどこにもそれらしきものは見当たらない。近くに商品を整理していた店員に妻が聞いた。「ここにQueijo
de soja (豆腐の色、形がチーズに似ているところからここブラジルでは豆腐は大豆のチーズと呼ばれている)があると聞いたのですがどこですか?」「奥さん、Queijo
de soja ではありません、それはトウフというものです」と彼女得意げに答えた。分かりやすいようにわざわざQueijo de
sojaと言ってやったのにとちょっと頭にきた妻、日本語で「わかりました、ありますか?」と言った、とたんに彼女バツが悪そうに肩をすくめ下向きになり「今トラックが着く時間なので確かめてきます」と小走りに走り去ろうとした時、ちょうど横に居た食品コーナーの責任者、皮肉をこめて「みろ、誰がえらそうな口をきけといった」
このスーパー、最近こちらに進出してきたばかりなのだがお客さんの対応が良いと評判で上のような妻の皮肉も通る。以前大きな楕円形の6キロはあろうかというMortadela(モルタデラハム)を見かけたのでそれを2キロくれと頼んだとき、店員は端から2キロ見当切って私に渡そうとした。これじゃ端っこを少し犬にでもやるかと思って受け取ろうとしたとき傍にいた恰幅のいい責任者私に向って「お客さん少々お待ちいただけますか」といって私が持っているものを取り上げた。そして店員に「真ん中から切って、そこから2キロ取りなさい」と指図した。「しかしそれでは最後に両端が残りますが。私は店のことを思ってお客さんに端から切って売っているのです」「そうか、そしてあんたが自分のために買う時はどうして貰いたいかね?」「それはもちろん真ん中のほうがいいに決まっています」「それじゃそのようにお客さんにしてあげなさい、ここにある全ての物、もし自分が買う時にして貰いたいようにしてお客さんに渡しなさい。」「わかりました」これを聞いて感心した。一般にブラジルでは「売ってやる」という態度が感じられる時が多い。私たちはすっかりこのスーパーのファンになった。特に金曜の夕方から土曜の夕方まではお客さんで一杯で入ろうと思うと車の列ができている。仕方がないからやりすごすこともある。最近開けたばかりだがなんでも今度は家の近くにもう一店開けるとのうわさがたっている。このチェーン、アラブ系の家族がやっている。