2014年7月21日月曜日

Sopa (スープ)


Bonitoからの帰り道、途中で何か腹ごしらえをしていこうとPadaria (パン屋とはいっても軽食がとれる所)に立ち寄った。先に入ったガイドが何か頼んで奥の方に向かった。注文を受けた女の子に何を頼んだかと聞くと「Sopa (すーぷ)」だと言う。夜も遅くちょっと冷え込んでいる、私たちもスープならあったまるなと思って「スープ、後三つ追加そしてエスプレッソコーヒーを四つ」と注文してテーブルについた。一時して女の子が大皿に持ってきて皆の席に置いていく。しかしスープはない。小皿に何かケーキみたいなものがのっていてあとはコーヒー。ガイドに聞いてみた。「スープを頼んだけど来てないよ」。ガイドが笑った。「ここではこれがスープなんです。Sopa Paraguaia (パラグアイ・スープ)と言うのですがね。ここMato Grosso do SULはパラグアイ、ボリビアと国境を接していてパラグアイからの人も大分住んでいるのですよ。
この辺のある家でパラグアイから来た人がお手伝いさんとして働いていたんですよ。そこで夜に熱いスープが飲みたいとご主人が頼んだらお手伝いさん美味しいスープを作ろうと色々入れて最後にトウモロコシの粉を入れようとしたところ手が滑って持っていた袋の中の粉が全部鍋の中に入ってしまいドロドロになってしまったのです。捨てるわけにはいかないのでケーキ用のバットに入れてオーブンで焼いてしまったのです。食卓に座っているご主人の所に持って行き「これがスープです」とケーキ風に切ったのを置くと彼はびっくりして彼女の顔を見上げる。そこで成り行きを説明するとご主人フォークにとって口に入れた。「うん、なかなかいいよ」。それからその家ではスープと言うとこれが出るのが習慣になり、そしてこの辺一帯に広まったというわけです。
「実は私トイレから戻るとき女の子にあなたが何を注文されたのか聞いたんですよ。うーん、あの人達が思っているのとは違うものが出てくるけどまあいいだろうと言ったのですけどね、この辺の名物料理だから試されるのもいいだろうとそのままにしておきました。さあ、いただきましょう」
私は美味しく食べたが妻を満足させるまでにはいかなかったようだ。

所変われば品変わる??


写真を撮ったと思ったのだがないのでインターネットから借りた。Padaria で食べたのは分厚く四角に切ってあったのでケーキかと思った。


2014年7月20日日曜日

ワールドカップ ブラジル大会 ドイツ優勝


ワールドカップが終わって一週間。所々に緑と黄色の飾りつけは残っているものの町はいつもと変わらぬ装いに戻った。あまりW杯のことも会話に上らず人々はブラジルであれほど待ちわびたW杯があったとは信じられないほどの落ち着きだ。
ドイツに7対1で負けた準決勝戦とオランダに3対0で負けた3位決定戦のぶざまな負け方がブラジル人の口を封じてしまった。これを教訓に新しい体制で次のW杯それが出来なければその先のW杯での優勝を目指そうとの謙虚な姿勢が生まれている。
サッカー王国ブラジル、今度で20回目のW杯のうち5回優勝。FIFAでの順位は下がってもどうせW杯で優勝すればいいんだと高をくくっていたような気がする。その間ドイツは国を挙げてW杯優勝目指して周到な準備をしてきたという。
ブラジルは個人技そして天才プレイヤーに依存しすぎたきらいがある。精神面の強化も取りざたされている。どんな改革が行われるのか見守りたい。
今回の決勝戦はドイツ対アルゼンチンとなった。ドイツが勝つとヨーロッパの国がアメリカ大陸においての初めての優勝国となる。アルゼンチンが勝つとブラジルとはライバル意識の強い彼らだからこれから先ずっと何かあるたびに引き合いに出される可能性がある。ブラジルの多くがドイツ応援にまわったとテレビで言っていた。

4年に一回のサッカー・ワールドカップ、次のロシア大会に向け皆動き出している。

2014年7月19日土曜日

Bonito (ボニート)

 


泊まったホテルの地階に旅行社があったのでCafé da manhã  (朝のコーヒー=朝食)を済ましてぶらりと入ってみた。Bonitoの自然を楽しむツアーのパンフレットが置いてある。Bonito の町はCampo Grandeから約270kmで、ツアーはどれも3,4日である。私たちは1日しか暇がない。

Bonito (美しいを意味する) は自然を守ったエコツアーで最近観光客が増えてきているとマスコミなどで紹介されている。どんな所なのかちょっと一目でも見ておきたいと、こちらから日帰りツアーを提案してみた。係員がガイドに詳しい人に紹介してもらおうと電話をかけた。そして最後に「えっ、あなたがやってくれるのですか?!、願ってもないことです」と電話を切った。「私の大学の観光コースの先生で誰か紹介してもらおうと頼んだところ彼自身がガイドを引き受けてくれましたよ」と弾んだ声で私たちに話した。

翌朝6時半「車がまっていますよ」とホテルのフロントから電話が入った。下に降りると背の高い中年紳士が待っていた。挨拶を済ませ一路Bonitoへ。Campo Grande (大平原を意味する)を出て最初の130キロあたりまではトウモロコシや家畜の飼料用の穀物が植えてある平原。行けども行けども地平線までの穀倉地帯、春から夏にかけては大豆が植えてあるという。どこまでも同じような景色、これぞブラジルだと感じた。後の半分の道のりはあまり土地は良くないらしく育ちの悪い木々の間に牛の群れが見える。

途中、ガイドがその地方の歴史や地理、そして1864年から1870年にかけてブラジルとパラグアイの間で戦われたGuerra do Paraguai (パラグアイ戦争)のこの地での戦闘模様などの詳しい説明、さすが大学教授。私もブラジルに来てすぐにブラジル歴史に関心を持ち本を読んだ頃を思い出し二人で道中楽しく語り合い、時間の経つのも忘れていつの間にか目的地へ。4時間のなんと短かかったことか。

Bonitoは市役所指導の観光奨励でも知られている。初めに市立公園に寄る。川の底まで見える澄んだ水の中を魚が泳いでいる、自然水族館だ。レストランやバーベキューコーナー、広い野原もあり市民や観光客の憩いの場所になっているようだ。私たちは昼食に魚料理を頼んだ。猿が木立を渡ったり赤い羽根のAraraが飛んできて観光客に近寄ってくる。

帰りに「Araraの穴」と呼ばれる大きな深い穴に80羽近くのAraraが巣作りをしているところに立ち寄った。この辺は石灰岩地帯なので水の浸食により多くの洞窟ができそれらが観光スポットとなっている。
ガイドはバードウオッチング同好会のメンバーでもあるのでカメラもいいのを持っていて数枚の写真を私のメールに送ってくれた。下の写真はその中の一枚である。


帰りは日も暮れホテルに戻った時は11時を過ぎていた。


2014年7月18日金曜日

Mato Grosso do SUL 州 Campo Grande市


左から義母、末の弟夫婦、妻の清子


ブラジルが準決勝で屈辱的な敗北を喫した後、7月9日私たちは(妻と義母とで)義母の末の弟が住むMato Grosso do SUL州の州都Campo Grandeに出かけた。糖尿病の弟の調子が悪く視力も弱り歩くにも人の助けがいるなどの情報が親戚を通じて入っていたので行くことにした。ヴィトリアからサンパウロまで飛行機で約1時間20分、サンパウロでの待ち時間が3時間半もあり、それからカンポ・グランデまで同じく約1時間20分結局乗り継ぎの時間の方が飛行時間よりかかってしまった。どうやらサンパウロから両市への便が少ないのがその原因だと分かった。

着いた翌日親戚の家を訪ねた。私たちが泊まっているホテルからは歩いて行ける所だとはGoogle Earthで分かっていたので電話して知らせておいた。Mato Grosso do SUL 州は1977年にマットグロッソ州が北と南に分けられた時に北はそのままの名前を引き継ぎ南は南マットグロッソとなり1979年に州に昇格しカンポ・グランデがその州都となった。Mato Grosso とは厚い森という意味だが今は開発され農地や牧場が多い。カンポ・グランデは人口約83万人、町は緑が多い。
妻の叔父は見たところ思ったより元気そうで皆安心した。腕に透析用のバルブを埋め込んでから透析による身体の負担が少し減り症状も快方に向かい透析はまだ続けているものの目も良くなり今は一人で歩けるし私たちがいた間、一緒に釣りに出かけるほどになっていた。医療の進歩はありがたい。
彼の家に行く間に数羽のAraraが街路樹に とまっていた。エスピリトサント州では動物園でしか見れないがここではよく見かける鳥とか。

カンポ・グランデは当時では珍しい都市計画で発展した所で道路も縦横に広くとってあり緑も多い。着いた日は最低14度最高18度とでていた。私はマットグロッソは暑い所だと思っていたが寒冷前線が上がってくる冬は時々冷え、たまには霜も降るという。マットグロッソ州と南マットグロッソ州とでは気候も大分違うらしい。思い違いをしていた。ここでは日系人を良く見かける。沖縄出身の人が多く、「そば」が州の名物料理に指定されているという。残念ながら日にちが短かかったので試食する機会もなかった。今町の新しい観光拠点として大きな水族館の建築が進んでいる。州知事が沖縄を訪ねて気に入られたらしい。下は建設中の水族館の骨組み。


2014年7月8日火曜日

ブラジル 1 - 7 ドイツ

今日のW杯の準決勝戦はブラジルの屈辱の敗北となった。ブラジルはこれまでの20回W杯で唯一の1930年からの全回出場、試合数103、しかしこんな点差での屈辱は初めてだ。

前半戦の20分台の6分間で4点も入れられてしまった。ブラジルはあまりにも相手にスペースを与えてしまいその結果ドイツは自分たちのチームプレイを完璧に成し遂げることができた。ブラジル国民もブラジルの選手たちも何が起こったのかハッキリ認識できなかったのではないか。そして試合が進むにつれスタジアムで観戦している女性たちの顔に涙が流れているのが映し出されていた。

後半戦に入ると少なくとも「栄誉のゴール(大差負けている試合で1点入れるゴールがこう呼ばれる)」を入れてほしいと願っていたが終了間際にオスカールが入れ慰めの1点となった。試合後ブラジルの選手にインタビューしていたが完敗を認めドイツが今日はすばらしい試合をしたとほめていた。

ゴールキーパーに今日の敗因は何かと聞いていたが「自分たちも何が起こったのかわからない。説明できないものを説明しろというのは無理だ。」と言っていた。たまにはこういうことも起こるだろう。

この試合でドイツのKlose 選手はW杯新記録の16ゴールを達成した。これまでの15ゴールの記録を持つロナウド選手は試合の解説をしながら自分の記録が破られるのを見ていた。そしてコンフェデ杯優勝国はワールドカップを制しないというジンクスは破られなかった。

まだ土曜日ブラジリアでの3位決定戦が残っている。ブラジルらしい試合で今日の負けは事故だったことを証明してほしい。

4年に1回のワールドカップ。サッカー王国ブラジルは毎回、優勝が使命となる。
あとは4年後のW杯ロシア大会、またもやブラジル国民にとっては優勝しかない。

2014年7月5日土曜日

オランダ 0(4) - 0(3)コスタリカ


今回のW杯での最大の驚きはコスタリカの躍進。中米の人口わずか480万人の小さな国が「死の組」と言われたグループDに入った。始まる前はかわいそうにコスタリカはW杯優勝経験国のイタリア、イギリス、ウルグアイから負けて一番先に去るだろうと思われていた。しかしいざ、ふたを開けてみると2勝1分けとグループ1位で決勝トーナメントに進出。そして日本が入っていたグループC2位のギリシャと1対1のすえPK戦で破り8強に入った。コスタリカの国を挙げてのお祭り騒ぎをブラジルのテレビが放映していた。

今日のオランダとの準々決勝でも0対0でPK戦。残念ながら敗れたがコスタリカのサッカー界の歴史に残るW杯となった。

今回8強に残ったのはすべてグループを1位でパスしたチームだ。まだ調べていないがこれも珍しいのではないか。

今日の別の試合のアルゼンチンとベルギーの結果は1対0でアルゼンチンが勝った。決勝トーナメントに入って1次リーグ戦で大量得点した国も決勝トーナメントではなかなか点が取れない。試合を見ていて感じるのは選手の運動量が多くなったなーということだ。試合の間中走り回っている。これからは運動能力を高めることが重要になってくるのではないか。

8日はブラジルードイツ戦、ネイマールが抜けたブラジルがどんな戦いを見せるか楽しみだ。

2014年7月4日金曜日

ブラジル 2 - 1 コロンビア


今日はブラジルとコロンビアとの準々決勝戦が17時からある。その前に13時からドイツ対フランス戦がある。普通は午後近くのスーパーに買い物に行くのだが午後は試合観戦なので午前中に済まそうと10時半に家を出た。この辺も人口が増え昔は小さな地域のスーパーだったのが今は地下駐車場もありスペースも品揃えも増したスーパーに生まれ変わった。この頃は野菜や果物がよそのスーパーに比べて格段安いのが評判を呼んでかなり遠くからも買い物にきている。私たちが肉コーナーで今日のブラジルの試合をテレビで見ながら牛肉でも焼いて食べようと肉をみていると横で年配の女の人がつぶやいているのが聞こえてきた。「肉を買いに来たのにこんなに列があるのでは私の番が来るまでは時間がかかるわね。いったい男の人ってサッカーが好きなのか肉が好きなのかどっちなのかね。家の近くにある肉屋さんはサッカーのある日は肉の安売りがあるからそっちの方をまわってみよう」とレジの方へ向かっていった。

このW杯の期間はどのスーパーでもビールと肉のところに人だかりがしている。気が置けない友人、知り合いを集めて試合を見ながらバーベキューというのがここブラジルの一般的なスタイルである。
午後1時から始まったドイツーフランス戦どちらもW杯優勝経験国で特にドイツはここ4回連続で4強入りを果たしている。決勝トーナメント戦のなって急に僅差の難しい試合になったがこの試合もドイツが1対0でフランスを破った。

さて5時からのブラジルーコロンビア戦が始まるとあちらこちらで爆竹が上がる。
私も応援着に着替えてテレビの前にビールとつまみを抱え込んで座り込む。ブラジルは早い時点でコーナーキックからキャプテンのTiago Silva が太ももにあてゴールに入れ込み1点。そこからコロンビアの選手のラフプレーが目立つ。しかし主審はあまり注意もせずイエローカードも出さない。特にエースのネイマールに暴力ともいえる反則が集中する。2点目はやはりDFのDavid Luiz がフリーキックを無回転のボールで決めた。

普通ラフプレーが多くなりそうでコントロールが取れなくなると判断した場合主審は早い時点でイエローカードを出して選手達に警告する。しかしこの試合の主審は全然出さない。実況しているアナウンサーや解説者は「この主審は控室にカードを忘れてきたのだろうか」とコメントしていた。しかし後半になってもイエローカードがでない。「イエローカードを持ってきてないのではないか」と言っているうちにコロンビアの選手がネイマールの後ろから飛びかかり膝で彼の背を強く打ち、降りるときに更に手で押し倒した。ネイマールは痛みとこれでW杯は続けられない悔しさで泣いている。すぐに救護班が来て彼を担架にのせて去っていった。彼は医師から脊髄骨折と診断され数週間はプレーが出来ない状態だと発表された。

世界から見舞いのメッセージが来ているとテレビで言っていたがこれで彼のブラジルW杯は終わった。今度は誰が彼が抜けた穴を埋めるかに関心が集まる。

2014年7月1日火曜日

W杯8強出揃う


今日1試合目のアルゼンチン対スイス戦、90分で0対0、結局延長戦の末アルゼンチンが試合終了前間際に1点入れて勝った。2試合目のベルギー対米国戦も延長戦にもつれ込み2対1でベルギーが勝つなど大量得点で沸かしたグループリーグ戦とは様変わり。
ブラジル対チリとコスタリカ対ギリシャはどちらも1対1のままPK戦までもつれ込んでそれぞれ前者のかち。

前評判も高くグループリーグ戦でも成績の良かったドイツも延長戦でアルジェリアから2対1で勝ったがアルジェリアにもチャンスはあった。

コロンビア対ウルグアイとフランス対ナイジェリアは2対0で前者の勝ち。

オランダ対メキシコは試合終了間際までメキシコが1対0でリードしていたが後半42分でオランダが1点入れロスタイムでオランダがペナルティのフリーキックを決め2対1で勝った。

決勝トーナメントになって全ての試合が僅差で最後まで勝負の行方が分からない手に汗を握る熱戦になった。もう負けると後がない勝負でどこの必死だ。今までのW杯で一番面白いとブラジルのマスコミが報じている。

どこが優勝するのか全く分からない状態でこれから準々決勝、準決勝そしてリオのマラカナン・スタジアムでの決勝まであと12日。

ブラジル、ガンバレ!!