2016年7月10日日曜日

えっ、そんなミキサーあるの?

私たちが親しくしている近くの海辺に住むご婦人から昨日の夜電話がかかってきた。
「前にお宅に行って饅頭の作り方を習ったのだけど、昨日作ったらうまく出来なかったの。明日そちらに行って又一緒に作らせてもらっていいでしょうか?」「はい、いいですよ。材料はこちらに揃っていますから」

今日の朝早くドアベル(?)が鳴った。妻はよく庭の手入れをして家の中にはいないし、私も2階の部屋にいるとベルが聞こえないので家の門の外にオートバイのクラクションを取り付けてある。庭の端っこにいても聞こえる。私たちの家の横にある救急車を市役所などに供給している会社に勤めている孫娘の車で彼女は降り立った。右手に買い物袋を持っている。「来るとき海の横の魚市場に寄ってカワハギがあったので持ってきました」と妻に手渡された。海辺の魚市場は漁師が獲ってきたものをその場で売っているので全てが新鮮だ。「一週間前にお宅に教えてもらったカワハギの刺身、居ても立っても居られず早速買って刺身にしたらおいしかったわ。寿司にしてもおいしいし、これからはいつでもできるので助かるわ。今まではまず魚屋に行って刺身にできる魚があるかどうかを見て寿司を作っていたの。カワハギで刺身、寿司なんて今まで思ってもみなかったわ。娘や孫たちも気に入って合格点をくれたの」。彼女は長い間ヴィトリアに日本食レストランを開けていてブラジル人にも「Mamasan」の愛称で親しまれている。数年前にレストランは年齢を理由に閉めている。

この話、実は5月8日のポストにさかのぼらなければならない。実はあの時、鯛やハマチやEnchovaのほかに4キロの「カワハギ」を買っていたのだ。カワハギはこの辺では最も身近な魚で海辺のキオスクなどで油で揚げビールの友としてブラジル人に人気がある。値段も安いし私たちも今までバカにしてきて家でもいつも揚げて食べるものとなっていた。

話はまた30年ほど前にさかのぼらなければならない。
当時私と同じ会社に勤めていた同年代の二世の家族が近所に住んでいた。子供たちも同じ学校に通っていて時々誕生日などお互いに行き来していた。
ある日こんなことを旦那が妻に話した。
「奥さん、ここで一番おいしい刺身はなんだか知ってますか?」
「この辺だと、まぐろがあるし、鯛やスズキやハマチとか・・・」
「いや違いますよ、カワハギですよ。一年中手に入るし、おいしいし、おまけに安いし。それにわさびはいらないですよ。一番おいしい食べ方はしょうがのすりおろしを使うんですよ」
それから数日して町の朝市でカワハギを買ってきてしょうがをすって食べたがあまりおいしくなかった。「やっぱり、カワハギは油であげて食べるものだな」ということとなった。

妻が5月8日に買ったカワハギ、あまりにも新鮮なので、30年前の話を思い出した。「そうだ、海に行って魚を買っていたといったな。そういえば漁師市には何度も行ったが刺身目当てでカワハギは買ったことはない。試してみるか」ということとなった。
おずおずとはしに取って口に入れる。「アッ、これはいける。あの人の言っていたのは本当だ」と30年後に気が付いた。お粗末さまでした。

アレッ、今日のタイトルをすっかり忘れていた。
台所で妻とママさん、饅頭を作っている。妻があんこになる豆をミキサーにかけているとママさん 「お宅のミキサー調子よく回っているわね。豆腐もそれで作っているんでしょう。うちのは一週間のうちに3台も駄目になって、また買わなくちゃいけないのだけどあなたそれどのくらい使っているの?」「もうかれこれ15年かな」
「えっ、そんなミキサーあるの」
「ええ、ARNOです」
(ARNO, アルノとはブラジルのミキサーや電動泡立て器などの有名メーカーのひとつ)

またもやタイトルとは関係ない話に脱線してしまった。





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