空港の待合室で2時間たっても発着パネルの私達の飛行機の時間には何の変更もない。3時間たっても何のアナウンスもない。他の乗客たちは段々と手荷物を持って飛行機に乗るべくゲートに消えていく。夜の9時になって周りの人達は即席ラーメンやうどんを買って食べている。私と連れのアメリカ人もこう腹が減ってはたまらない、パンとコーヒーで済ます。どうやら待っているのは私達のフライトの人達だけらしい。夜10時突然アナウンス、やっと乗れるらしい。やれやれと機上の人となる。やがて到着時間も近いなと窓の外を見る。なにか稲光が前方に見える。すると機内アナウンス。上海の上空はただいま雷雨が激しく着陸出来ませんので武漢に引き返しますと。えっ、燃料は大丈夫なのか?武漢に戻ってきたのは夜中の1時を過ぎていた。空港はもう電気が消されていた。荷物置き場に行きわずかな明かりで手探りで自分の荷物を見つけ出す。そこに住んでいる人達は荷物を引きずって家路についている。空港を出るとき今日の午後1時に上海向けに特別便が出るので遅れないようにとの伝言があった。空港の外に出ると、あたりは薄暗く、ずっと先のほうで車が行ききしている。さて、どうしよう。連れのアメリカ人と相談する。どちらかがあそこまで行ってタクシーを拾ってくるか。そうこうしている内に周りに5,6人、外国人ばかり集まってきた。その中に香港からの人で中国語と英語ができる人がいた。そこでその人がホテルを当たって皆の予約をしそしてタクシーを呼んでくれるようになった。2台のタクシーに分乗しホテルへと向かう。私は連れのアメリカ人と7階の部屋。それから会社に電話しそこから先に行っている技術者たちに連絡してもらうように頼む。窓の外は闇、カーテンを閉めて寝る。
翌朝、目を覚ましカーテンを開ける。なんと眼下には昨日一目でも見たいと思っていて実現しなかったあの揚子江が穏やかに横たわっているではないか。しばし眺めを楽しむ。ホテルの周りを歩いたあと朝食をとり再び空港へと。荷物を預け空港の発着パネルを見るが私達の飛行機は見つからない。聞くと特別便なので載せてないという。今度は時間どうりに乗り込み無事上海に着くことが出来た。私達の連れの中国の女性が迎えに来てくれていた。
私はそれまでは飛行機が時間通りに発って時間通りに着くのは当たり前のことだと思っていたがそれからはそれはとても運のいいことなのだと思うようになった。
私のこのマーフィの法則、長い間営業部の語り草となった。いやいまだに、まだ言ってる人もいる。
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