2016年2月14日日曜日

爆食い


Panetone  パネトーネ
(イタリアで生まれたもので今はクリスマス用から形を変え鳩の形のイースター用にも作られる。私たちの知人でイタリア系のビスケット会社の社長はパネトーネの作り方を学ぶためイタリアに1か月半の修行に出かけたが結局は大きな会社と太刀打ちできないと製品化まではいかなかった。)

上のタイトルは幸い今年のことではない。一昨年の年末から去年の正月にかけて体重が3キロも増えてしまった。カトリック教徒数世界第一のブラジルではクリスマス時期になるとスーパーや食品店の店頭に食がそそられる物が並ぶ。カトリック教徒ではない私たちももちろん便乗しておいしそうなものを買いあさる。子供たちが一緒に住んでいた頃は必ず七面鳥(日本ではターキーと言わなければいけないと妻は35年前に日本に住んでいた時に教えられたそうだ)を買ってオーブンで焼く。中まで火が通れば赤いセンサーがパッと飛び出すので分かるようになっている。丸焼きなのでその前は見張っていなければならなかったので楽になった。しかし大変なのはそのあと、ほかに豚肉や鶏肉や・・・などがあるので子供たちは最初の日だけで後はターキーには手を付けない, いや口をつけない。結局私の受け持ちになってしまい大晦日までくらいある。そして正月を迎えると今度は日本食の番。これが日本式に七草粥まで続く。今は人数が少なくなったので以前の半分以下になっているがやはりつい手が出て食べ過ぎてしまう。

おまけにこの時期は甘い物も付く。クリスマスケーキならぬパネトーネ(Panetone)といって大きな菓子パンの中に色々な乾燥した果物をいれたりチョコレートをいれたりして焼いたのを売っている。これが段々クリスマスの日が近づくと安くなってくる。それで行くたびに買い増したりする。これも糖尿病だからとか言ってあまり食べてくれなくて私の係となる。

正月には餅は欠かさず作られていて私の好きな「あんこもち」もつくられる。移民してきた初めの田舎にいた頃は日本から持ってきた臼と杵で餅をついていたが町に出てからはもち米をミキサーにかけ後電子レンジで15分ほどで柔らかい餅ができる。初めにお供え餅を丸め、しろもち、あんこもち、順になる。お供え餅は家の周りにあるネギ、三つ葉、みょうが、ごぼうなどをかき集め七草粥となる。

かくしてこの期間私は食べ物に囲まれる。この誘惑を振り切るには強い意志がいる。しかし残念ながらつい手が出て勝手に口まで運んでしまう。このままではいけないと毎年反省しては体重減らしプロジェクトを組む。ストレッチと軽いウオーキングなどで時間をかけてもとに戻す。「わかっちゃいるけど止められない」。それで去年の初めは3キロの体重オーバー。

私がどうしようかと悩んでいた頃日系の知り合いの娘さんが妻と家の前で話していた時「 キィー] と急ブレーキをかけて女の人が声をかけた。「ちょっとパウラあんた最近痩せたね、どこの医者に行っているの?、私ねこの年末年始で3キロ半太っちゃたの。あんたのお医者さん紹介して一日も早くこの私の物でない3キロ半を取ってしまいたいの」。私たちの通りの角のパン屋の女主人早速スマホに教えてもらった電話番号を打ち込んだ。「なにっ、私に属さない(not belong) だと、それなら私の3キロもnot belong (não me pertence)だ」とやる気になった。


そうこうしているうちに日本に行くようになった。期限つきなので何とか頑張って間に合った。
そういうことで今年は何もかも少なく買った。Panetoneは二つしか買わなかったのだが知り合いや息子たちがあいさつに持ってくるのでまだ棚の上に残っている。これは賞味期限が長いので大丈夫だ。

しかしその日系の娘さん最近会ったらまたもとの体重に戻っていた。油断大敵。




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