日本、決勝トーナメントに進出

日本の1次リーグ3戦目の相手はポーランド。ポーランドは前評判も高くワールドカップ以前のランキングは世界9位。世界に誇るストライカーのレヴァンドフスキを擁するポーランドはヨーロッパ予選のE組をトップで通過している。

この前ブラジルの監督チッチがテレビの番組に出ていてアナウンサーがこういう質問を出した　「もし世界中から一人助っ人を選べるとしたら誰にしますか？」「ポーランドのレヴァンドフスキ！」と答えた。

日本は引き分け以上で自力で決勝トーナメントに出れる。もし負けた場合は同じH組で同じ時間に他のスタジアムで戦うコロンビアとセネガルとの試合結果で決まる。

前半はどちらの戦いも0対0．このままだと日本の決勝トーナメント進出が決まる。

しかし後半、日本は、ポーランドに押され気味で1点を取られた。情勢から見ると1点を取り戻すのは難しい。やがて試合終了15分前、テレビでコロンビアが一点入れたという知らせが入った。日本のサポーター達がほっとした様子でケータイを見ている。

今の状態だと日本とセネガルは勝ち点同じ、ゴール数同じ、でまったくの同点そして日本とセネガル戦は引き分けている。これも使えない。するとアナウンサーが言った「この後はフェアプレイで勝負が決まる」。すなわち「イエローカード」の少ない方の勝ちとなるという。こういう判定は見たことがないような気がする。知らなかった。日本がイエローカード4本でセネガルが6本。すなわち日本の勝ちとなる。ここで選手交代が行われキャプテンの長谷部がピッチにはいった。日本の選手達がボールを横や後ろに回しだした。「あっ、このままいけば日本が決勝トーナメントに進出する可能性がでてくるというのが伝わったな」と思った。

しかしセネガルが一点入れれば日本は1次リーグで終わる、リスクの伴う作戦だが賭けに出たということか。日本はただのボール回しだけで終わりを待つようだ。ポーランドの選手もそれに気づきボールを取りに行こうともしない。一人の選手は座り込んでしまった。

やがて試合終了のホイッスルがなった。日本の選手の表情は何も変わらない。

まだコロンビアとセネガルの試合が終わっていない。やがて向こうの試合が終わって日本の決勝トーネメント進出が決まったというのが知らされたのか日本の選手達の顔がほほえみに変わった。

記者が西野監督にこの試合のコメントを聞いていたが、「こういう試合もあるということを選手たちに知ってもらいたい」みたいなことを言っておられたような気がした。

後でブラジルのスポーツ番組でこのことを報じていた「日本はイエローカードの数で勝つ作戦を取ったがもし同じ立場だったらどの国の監督もそうしたろう」。