2010年1月31日日曜日

ハイチの大地震

今月12日、中米カリブ海の島国ハイチでマグニチュード7の大地震があった。死者は20万人以上と報じられている。ハイチは島国といっても同じイスパニョーラ島をドミニカと分け合っている。面積は約四国位とか。被災者は100万人を越えるともいわれている。各国から救援隊が派遣されガレキの下から一人助かる毎に大々的に報道されている。今国連主導で救済治安維持部隊派遣の増員が決定されたようで日本からもPKO部隊の参加があるらしい。
ラテンアメリカ最初の独立国であり最貧国でもあるハイチは近年内乱が続きその治安維持に国連が平和維持部隊を派遣し地震当時ブラジルは最多の1600人以上が駐屯していて20人以上の兵士が犠牲になった。今アメリカも部隊を派遣し国連部隊の主導権をどちらが取るか話題になっている。この地震でブラジルの民間人の犠牲者もでた。Pastoral da Criança 創設者のZilda Arns 女史。小児科医で公共衛生の専門家でもある彼女は教会からの依頼でPastoral da Criança を創設その後献身的な努力でブラジルの乳幼児の死亡の減少に尽くしハイチではその活動を貧しい国々に広げるため教会で講演を終えた直後のことだったという。最近ではその活動を老人救護にも手を広げブラジルで最も尊敬されている人の一人でもあった。本来は政府のやるべき仕事を博愛精神(今はやりの民主党の鳩山総理の方は友愛ですが)でやり遂げたことは人々の感動・感嘆を呼んだ。彼女がテレビに出て話すのを聞いているだけで穏やかな気分になれるのは不思議だった。
ブラジルには地震がない。北伯の小さな町で時々壁にひびが入るほどの地震があったとニュースになるが地震と呼べるのかどうか。ブラジル人と政治の腐敗とか国の発展とかの話になると自嘲的なジョークで終わることがよくある。「神様がこの世をお造りになり、まず色々な土地に分けられた。その後そこにどんな人達をおくかをお決めになっていた。さあいよいよブラジルの番になって神様は頭をひねられた。ここには天然資源を豊富にくばり地震、台風もない、まあ人間はこの位でいいか」しかし今ブラジル人に自信が起きてきた。永遠の明日の大国から永遠の字が消えつつある。
ちなみに私はハイチと南太平洋の島国タヒチとをよく取り違える。偶然両国ともフランスに関係のある国である。今回の地震の時もまたインドネシアの近くかと勘違いしていた。地震が起きたときハイチの大臣級の人だったと思うがこんなコメントをしていた。「これでハイチが全世界に知られるようになった」その後この大臣どうなったかは知らない。