2007年8月26日日曜日

第15回パンアメリカン(汎米)競技大会


リオで7月12日から29日まで第十五回パンアメリカン競技大会が開催された。アジア競技大会が4年に一度オリンピックの中間年に行われるのに対しパンアメリカン競技大会はオリンピックの前年に行われる。42カ国から5500人の選手が参加したスポーツの祭典。ブラジルもがんばった。金メダル54個(金銀銅合計161個)。米国の97個(合計237個)キューバの59個(合計135個)についでの3位。ブラジルで開催されたのは1963年(東京オリンピックの前年)のサンパウロから実に44年ぶり。私もこれとない機会と男女とも金メダルの期待がかかる体操を観に行った。三日間体操ひとすじ。あいにく当てにしていた女子の床の Daiane dos Santos はけがで欠場、しかし新しいブラジルの星16歳のJade Barbosa の活躍をみることができた。Jadeは女子個人総合では最後の段違い平行棒で失敗しメダルはならず。それまでトップだっただけに惜しまれる。観客の残念そうな顔。結局米国が女子個人総合の金銀銅をさらっていった。しかしその翌日は種目別。Jade は跳馬で金、床で惜しくも足が線から出て減点され3位となった。けなげでかわいいと会場は無論、テレビを通してブラジルを魅了しアイドルとなった。男子は期待通りDiego Hypolitoが種目別の跳馬と床で金メダル。プレッシャーをおしのけての見事な演技。しかし体操の最後の演技、男子鉄棒で思いもしなかった事が起きた。時間は夜8時半をまわっていた。もう今日は金メダル三つもとって国歌を三回も歌ったし最後の鉄棒はブラジルは望みはないしもう遅いから終わるまで見て一斉にバス停に行って長い列に並ぶより今出るか。おそらく半分以上の観客がそう思った。みるみる席が空いてきた。私の頭にもチラッとかすんだが日本の時から体操の花は鉄棒というのが頭にあってふみとどまった。見ると鉄棒の近くの席がかなり空いている。私の席は遠かったので一応廊下に出て早足で席をめざした。はじめはブラジルの選手Mosiah Rodriguesそつなくこなしてまあまあの点。次のブラジルの選手、大技もなくまあまあ。コロンビアの選手の点数がブラジルの選手に挟まれてきた。はじめの5人の演技が終わりブラジルが一位と三位。あとの組の5人が入ってきて練習を始めた。その中に米国の選手が二人。大きな回転をしたあと、手を離して高く飛びまた鉄棒をつかみ回転する。ああ、これでメダルはだめになったな。みんなそう思った。ほかにもいい選手がいる個人総合のメダリストもいる。さて競技が始まった。はじめの選手かなりいい、しかし途中で失敗して落ちてしまった。次の選手はまあまあで終わった。さて今度は米国の選手、練習以上にすごい、しかしあまり高く飛びすぎこれも棒をつかみそこなった。あと二人、少なくともメダル一つは取れた。次の選手、うまくいっている。しかし観客たちのなかには“おちろ、おちろ”と念仏?を唱えているものもいる。効が奏したのかこれも落ちてしまった。最後に米国の選手。すごくいい。しかし念仏?が大きくなってきた。あっ、落ちた! すかさず私も手をたたいてしまった。あまりにも応援に夢中になってしまってマナーを忘れてしまった。そういうことはしてはいけないことだとは誰もが知っている。しかし我を忘れるとでもいうのだろうか反射的にでてしまった。ほとんどの近くにいたブラジル人の観客たちもそうだった。しかし、これで金と銅、ブラジル体操界の歴史に残る快挙となり会場に観客の国歌斉唱が高らかに響いた。
今回のパンアメリカン競技大会、開会式の華やかさは印象に残った。さすがリオ、カーニバルパレードのノウハウがはいっていた。手前味噌になるがいままでのどのオリンピックの開会式にもひけをとっていなかった。競技会場も素晴らしい。ただ難癖をつけるならば観客の足の便の悪さ。もし将来リオがオリンピックの開催地に名乗りをあげる時があれば会場までの地下鉄を整備したあとにしてもらいたい。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

Sr. Saheki,

Aguardo ansiosamente a tradução.

Aender