2016年9月22日木曜日

Rio 2016 オリンピックとパラリンピックを終えて

オリンピックとパラリンピックを終えてリオは少し静かになっただろうか。Carioca (カリオカ=リオっ子)達と会場で会話を交わすとこれからが正念場でバブルがはじけて不景気が一気に押し寄せてこなければよいがと心配していた。他の地方ではすでにはじけている。
ブラジルは大統領の弾劾プロセスで副大統領が正式に大統領の座に着いたがいまだに政治、経済は不安定で見通し不可能の状態だ。

今までオリンピックの霧がかかっていて実像が見えなかったがこれから本性が見えてくる。アメリカ大統領選もブラジルに大きな影響をもたらす。アメリカは2017年は景気の回復を予想しているがブラジルとしたらそれにかけて今はいやなことは深く考えたくないだろう。

何を書いているのか? 実はオリンピック、パラインピックで感じたことを少しメモしていたのでそれで閉めくくろうとして書こうとしていたのだがつい愚痴が出て・・・

リオのパラリンピックは私一人で行ってきた。姑がほとんど動けないし食事やもろもろの世話もしなければならないので二人では出かけられなくなった。おまけに近くに住んでいた息子の家族が遠いところに引っ越してしまった。私がリオから帰ると今度は妻が一人で引っ越した息子の様子を見に行って今日帰ってくる。

ブラジルは来月、市長及び市会議員の選挙がある。近くの知り合いの所で議員候補の説明会があるので妻は呼ばれて行ってきたそうだ。そこで私がなぜ来なかったかと聞かれて彼女は「パラリンピックを見に行った」 と答えたところ 「オリンピックも行ったの?」 「いやオリンピックは行ってない」。
知り合いの彼、首をかしげて「どうしてパラリンピック?」

妻、「なんでもあっちに本当の英雄がいるのだとか言って見に行ったわ」 
それを横で聞いていた日系人の奥さんを持つ私たちが親しくしている友人
「そうだ。そうだ。」 と相づちを打ったそうだ。彼の長男はここエスピリトサント州の公立大学の機械科を優秀な成績で卒業したが入社時の健康診断で白血球の値に異常がありそれで引っかかって入れなかった。それからは色んな病気を引き起こし親はもう助からないとまで思ったことがあったと言っていた。、今ようやく落ち着いて少しは一人で歩けるようになっている。
彼は自分の息子とパラリンピックの選手たちとを重ねてみたに違いない。

「あなたがNHKで選手たちの紹介を見て病気や事故で障がい者になった人や生まれつきの障がい者の人たちが絶望のそこからその障害を乗り越えスポーツに新しい希望、生きがいを見出して人並み以上の努力の末このパラリンピックの代表を勝ち取ったのだと言ったでしょう。私にはそういう人は英雄よ。だからみんなにそう言ったの。みんな納得してたわ。

「へえー、大したもんだね、僕にだってとっさにそんな言葉はでないよ。確かにそうだね。僕たちもがんばらないといけないかなー」 「何言ってんのよ、足が痛い、腰が痛いとこぼしている人が。おとなしくしていなさい。」
オリンピック観戦最初の日、息子と行ったが、もちろん彼は私より歩くのが速い。私も一緒についていくが親指の付け根が痛い。ようく見ると少し(大股では出来なくて)中股で歩くと指の付け根を曲げなければならない。今までは小股でゆっくり歩いていたので負荷がかかっていなかったのだ。これは足なのか?、脊髄からきているのか? 運動で治るのか?課題がもう一つできた。

表彰台に上がってメダルをもらう選手たち、特に女子選手達ののうれしそうな表情、しぐさ、ついこちらまで、ほほえんでしまう。気が付くとレース中は一番遅い人に拍手や声援が多い。観客の励ましがきっと届いているに違いない。

ブラジルは60歳以上が老人で地下鉄や電車、バスなどに専用シートがあるがすでに若い人がいてスマホなんかやっていると誰も言う元気(?)はない。気が付いて譲ってくれる人もいる。しかしその席を空いたままにはなかなかしてくれてない。それでもその優先席に関係なく譲ってくれる人もいる。ブラジルもやがて老人社会になるだろう、その時は老人の規定を変えないといけないかも。もうすでにそれは役立っていないこともある。スーパーなどでも老人、妊婦、障がい者、2歳までの赤ちゃんを連れている人用の優先レジがあるがその列が時々一番長いので他の列の短いところに入る。
地下鉄をおりてオリンピック・パークまでのバスの道のりは長く、すし詰めですごいカーブもある。最初の日は立ちっぱなしで疲れた。2日目は年配のご婦人が譲ってくれた。それを断るほどの元気はない。お礼を言って座った。それで前の日より疲れが少なかった。ブラジルも昔(?)はよく譲ってくれた。

パラリンピックの柔道の試合を見て気に入った。なぜかというとお互いに初めから柔道着の襟と腕をとって組んでから試合開始となる。見ていて気持ちがいい。
見ていて気持ちが悪くなるのがオリンピックの柔道。特に日本人相手だと組ませまい、組ませまいと逃げ回る。つかめれないうちにうっかりすると闘う意志に欠けるとかで注意がはいる。そのまま勝負が決まらないと注意された方が負けとなる。
柔道はお互いに技を競うスポーツではないのか。パラリンピックの柔道のように見ていて気持ちの良い柔道にならないのか。

視覚障害のある人の5人サッカーはブラジル4連覇。ボールをゴール近くまでもっていって蹴るがよく入るもんだ。ちなみにゴールキーパーは健常者だが防げない。これは4大会前から始まったのでまだブラジル以外ではどこも金メダルをとっていない。

今回のメダル獲得数中国が断然トップだが、2位イギリス、3位ウクラニア、4位アメリカ。何ウクラニアがアメリカを抜いてメダル獲得数117!(43-37-39)。よく青と黄色のユニフォームが表彰台に上がっていたがあれがウクラニアだったのか。3人一緒に上がっているのも見た。
5位オーストラリア、6位ドイツ、7位オランダ、そして8位ブラジル 72(14-29-29)。

リオパラリンピックに200万枚のチケットが売れたと言っていた。これは前回のロンドン大会に次ぐ売り上げらしい。オリンピック・パークだけで一日最高16万7千人の人出があったとか。私もその中の一人になっているのだろうか。

まだわけのわからない数字がチケットの裏に書き付けてあるが今となっては何のことかさっぱりわからない。

限られた種目と短い時間だったが自分としては少しはパラリンピックの面白さが分かってきた。
構えなくて自分の目線で見れる、そして何か自然に感動を分かち合える。
また見たいものだが次は東京か。 東京での成功を祈っています。
 

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