2016年10月3日月曜日

ブラジルの地方選挙

昨日の日曜日はブラジル全土の市長及び市会議員の選挙があった。日本式に言うと市町村長と市町村議会議員選挙というのが正しいかもしてない。ブラジルは26の州と首都である連邦区のブラジリアからなる。各州内は行政単位のMunicípioに分けられる。
現在ブラジルは5570のムニシピオを有する。一番多いのはミナス州の853、次にサンパウロ州の645となる。私たちの住んでいるエスピリトサント州は小さいし人口も少ないので78のムニシピオに分けられている。アマゾン地域にあり以前の連邦直轄地域が州に昇格したところは人口が少ないので15、16,22などとムニシピオの数は少ない。ムニシピオの長がPrefeito(a) でそこの議会議員がVereador(a) である。

選挙の投票はたいてい近くの公立小中学校で朝8時から夕方の5時まで行われる。選挙は義務で権利ではない。私の最近の身近な経験ではパスポートの申請に投票証明券が要求された。公職に就くのにも必要だ。そういうことで投票率は非常に高く民意が反映されると思っている。
投票権利を持つものは16歳から18歳未満の人と70歳以上の人たちで自分の意志で投票するかしないかを決定することができる。私は72歳でその数少ない権利を持っている者の一人である。しかしやはり政治には関心があるので今年も投票に妻と一緒に出かけた。

学校の入り口にもあまり人は集まっておらず楽に中に入ることができた。教室の入り口にセクションの番号が書いてあるので自分の投票券と見比べて並ぶ。私の前には5人しかいない。妻のセクションはと見ると廊下の反対側の教室で列がなくすぐ入れるようだ。私の番が来て投票券とIDカードを渡し投票簿の自分の名前の所にサインして投票机に向かう。


投票机の上には上の写真の投票器が置いてある。市会議員は5ケタの番号、市長は2ケタの番号(政党の番号)なのでそれぞれの番号を押すと名前と写真がでるので確認して緑のConfirmのボタンを押す。1分もかからない。 そして出る前に投票証明券を自分が渡したIDと投票券と共にもらう。
この投票器の中には記録用のDiskが入っているので投票が終われば全てのDiskは選挙管理委員会の所へ持ち込まれすぐさま電子的に集計される。投票終了後2時間くらいでほとんど全ての結果が発表される。このシステムは1996年に始まったのでもう20年になる。それまでは投票箱に投票紙それを体育館などに持ち込んでの票読みだったので手間取った。

市会議員は今回の選挙で全員選出されるが選挙人口が20万人以上のムニシピオでの市長選では最高得票のほかに過半数獲得が要求される。誰もその条件を満たすものがいない場合は今回の一次選挙での最高得票獲得者と次点との間で10月30日に二次選挙が行われ決選投票となる。900万人近い選挙人口を持つサンパウロ市はこれまでほとんど決選投票があったのだが今回は最高得票53%だったので二次選挙はない。

ここエスピリトサント州では州都ヴィトリア市そしてそれを取り囲む三つの市で決選投票が行われる。また30日には投票に行かねばならない。

選挙日の学校の廊下はにぎやかだ。あちらこちらで話がはずんでいる。最近会ってない近所の人とか引っ越した昔の隣人とかに出会えるので、特に奥さん同士の話が長く続いている。妻も誰かと話している。「さっきの人は誰だい?」 「あの人は角のパン屋の女主人よ。住んでる家はほら私の友達のとなりよ」 「話は聞いていたが見たことはなかったので。」

0 件のコメント: