2008年11月15日土曜日

えっ、私が父兄会の会長?


これは私の息子二人がブラジルではロビニョ(lobinho 直訳で「狼のこども」)と呼ばれているボーイスカウト(escoteiro エスコテイロ)のジュニア版に入っていた頃の話です。子供たちが通っていた学校の体育の先生がボーイスカウトの指導員の資格を持ち、それに3人の近所のロビニョの指導員の資格を持っている女性の方たちが助手となり地域の子供たちを集めて毎週土曜日近くの広場で訓練(遊び?)が行われていました。その助手たちはキップリングの「ジャングル・ブック」に出てくる動物の名前で呼ばれていました。 あたかも「ジャングル・ブック」にでてくる狼に育てられた狼少年モーグルを守る動物たちというところでしょうか。狼の長たる『アケラー』、黒豹の「バギラ」、クマの「バル」,三人の子供好きの彼女たち。ロビニョは6歳から10歳までの少年、少女達。隊員は約30名ほど。年に三度くらいほかの町の隊との交流やピクニック等も催されていました。
そんなある日、今度の日曜日に2年に一度の父兄会がありそこで新しい役員の選挙も行われるのでご出席下さいとの通知が回ってきた。久し振りのゆっくりした日曜のはずだったが普段から子供たちが世話になっている「アケラー」のたっての頼みということもあって出席することにした。場所は近くの学校の教室。ここ2年間の活動および会計報告。そして休憩のあと新役員の選出が始まった。まずは書記、会計係などから始まり、段々と表の下のほうから埋まっていった。私の隣には会社の顔見知りが座っていてボーナスの話などを時たまかわした。副会長の選出が終わりいよいよ会長。皆なんらかの役員に選ばれていてまだ選ばれてないのはどうやら私と隣の彼らしいと気がついた。「さて会長ですが・・・」その時、隣の彼が私の腕を取り、上に! 「あっ、それでは会長は佐伯さんということで」「えっ、私が父兄会の会長?」すると隣の彼「いや、あまり仕事しなくていいんだ、大丈夫だよ」「何を言ってるおまえ」などとやりとりしている間に選挙は終わってしまった。「隣の彼にしてやられたけど仕方ない、やるか」ということでそれから会の招集がかかるたびに行かなければならないはめになった。隊の倉庫には旗とか棒とかはあったがまだテントはなかった。あるときキャンピング用品の店で安い小型テントを見つけこれは隊の皆が活用できそうだなと私の小切手で買った。倉庫係に手渡して毎月の会費のなかから差し引くということにした。しかしその後ボーイスカウトの指導員が結婚して学校も変わったりでボーイスカウトおよびロビニョの活動は立ち消えた。テント代、全額払い戻してもらったかどうかはよく覚えていない。
私の二人の息子たちは無事ロビニョを終えてボーイスカウトとなりそれまでのロビニョの青い制服から新しいカーキ色の制服で第一回目の訓練を受けたところで隊が解散となった。ロビニョの終業式の時二人の息子は最高の章でなかなかとれない「南十字星章」をもらった。ここの隊ではうちの息子たちともう一人で全部で三人。なにか嬉しいような申し訳ないような気がしたことをおぼえている。
上の写真は当時使っていたロビニョの制服。二枚目の制服で毎週洗濯したのでかなり色はあせてしまっているが息子たちの宝として大事にしまってある。左肩には「南十字星章」が縫い付けてある(写真をクリックして頂くと大きくなるのでよくわかります)。

0 件のコメント: