2013年9月7日土曜日

もっと医者を! Mais médicos !

今ブラジルでは国民の要望にこたえようと政府がMais Médicos(もっと医者を)というプログラムを始めている。大都市近郊や辺地で医者が足りない、またはいない所に外国から医者をよんで働いてもらおうというもので既に第一陣700人が3週間の研修中でその後各地に配置されるようになっている。今年中には4千人を雇う計画だとか。これには外国の医科大をでたブラジル人も含まれている。外国人からは言葉の障害がないかほとんどないポルトガル、スペイン、南米諸国から、そして政府間協定を結んだキューバからも多数参加している。もちろん医師会からはブラジルの医師の資格のないものが医師 として働くことは憲法違反だと反対している。しかし政府はこれは3年間に限定したもので彼らに検定試験を行いそれにパスしたものがその後もここに留まり医者として働くことは望んでいないと何か分けのわからない言い訳をしている。するとこれはその場しのぎの人気政策なのか。または3年ごとに同じことを繰り返すのか。しかしその後の事は現プログラムの成否にかかっている。
これはほとんど言葉の壁のないポルトガル語スペイン語圏内で成り立つことで、つい比較してしまうのは日本の外国人看護師養成プログラムである。フィリピンやインドネシアから募集しているが日本人看護師が受ける試験に通ることがその条件ではなかなかどころかとても難しい。会話程度ならいいが専門用語の読み書きをマスターするのは困難だ。合格率も低いと聞く。これがポルトガル語、スペイン語の兄弟語の間柄それに最も近いイタリア語、おなじラテン語の流れを組むフランス語。そして英語や同じアルファベットを使う諸外国でも学術専門用語はほとんどラテン語から来ている(と思う)ので言葉の壁の問題は日本の場合より容易に解決できる。それとはまったく事情が違う日本での看護師資格試験、日本もこれからは(既にか)高齢者社会、もう少し柔軟な対応が必要ではないかと思う。せっかくその意思(漢字変換で医師とでた)があり仕事に優秀な人材を言葉の壁だけで失うのはもったいない。

ブラジルの人口はついに2億を超えた。そして2040年ごろから人口は減少するという予測、つまり高齢者社会になるということである。政府は現在の問題にさえ対応できていないのに近い将来必ず起きる現象にどう対処するのか、明日、明日と延ばされては不安だ。

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