2016年10月7日金曜日

野生のパパイア


今エスピリトサント州は未曾有の干ばつに見舞われている。人口約150万の大ヴィトリア都市圏では週に1日か2日の断水がある。

昨日は近くの知り合いの日本人の家を訪ねた。そこの旦那さんは農業技師でここから約78キロの小高い町に農地を持っていてコーヒーを栽培している。
「今年は雨が少なくて小さい大豆しか取れなくて豆腐はできないかもしれないが味噌には使えるかも知れないから取りに来て」と連絡があって出かけた。

「今年は雨が少なくて隣のコーヒー園はコーヒーの木が枯れかかっていたのでこのままおいていても来年の収穫も難しいからと言って全部切ってしまったよ。家のは少し程度がいいので残しているがコーヒー豆は小さいし収穫量も大したことはないだろう。」とぼやいていた。

「今年は近くの川から水をポンプで引いていいものを作ろうと新しい器具を買ったのだが使用禁止令が出ているので使えないし今年は苦しいよ」とのことだった。エスピリトサント州が位置するブラジル南東部は今年はよく雨が降っているがどうしてここだけ降らないのだろう。

「自家用に植えている果物も弱って実が付かないがこのパパイアだけは大きくなっておまけにおいしいんだよ」と言ってくれたのが上の写真のパパイア。日照りのせいか(成果)、確かにあまい。
「いつもだとハワイパパイア、とか台湾パパイアが取れるのでこの格好の悪い野生のパパイアは果物としては相手にされず、まだ青いうちに取られて砂糖と一緒に煮られお菓子の材料としてしか使われないけど、今年、実をつけているのはこの野生のパパイアだけなんだよ。今の農業と言えば交配されたり、改良されたりで経済的な面が強調されてそれらの栽培面積だけが大きくなっていくけど、地球規模の災難がきたらいったいどうなるのだろう?」 

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