2013年12月19日木曜日

和食、ユネスコの無形文化遺産に登録される

今月アゼルバイジャンで開かれたユネスコの会議で和食(日本食)が無形文化遺産に登録された。世界中でブームともいえる現象で日本食が広まっているのとは反対に日本国内では家庭内でも日本食は減少の傾向にある。日本の若い層に好まれる三大人気メニューはハンバーグ、ライスカレー、スパゲッテだそうだ。一方こちらサンパウロ市ではブラジルの一番人気のバーベキューレストラン数は500店舗で日本食レストランはそれを上回り600店舗あるという。驚きだ。
ここ日本人が少ないエスピリトサント州でもあちこちに新しい日本食レストランが開店している。たまに入ってみるがこれが日本食かと疑うようなものまででてくる。日本食の定義はあるのだろうか? フランスの食文化も無形文化遺産に登録されているがどう取り扱われているのだろうか? 今までは日本食レストランが増えるのはうれしかったがこれからは日本食の質と量のバランスをどうとって無形文化遺産としてのレベルを保っていくのか? これからが大変だ。
日本食ブームを後押ししたのが2002年学術誌に発表された伝統的な日本食のだしに使われる昆布やかつお節に含まれるうまみ成分は味覚であると立証されたからだそうだ。それで外国のシェフたちもこれを求めて日本食を研究しいまではその土地のものからうまみ成分を引き出そうとしている。
我が家では子供たちが一緒に住んでいたころはブラジル食と日本食の割合は6対4くらいだったが今は3対7くらいで日本食の方が多くなってきている。おばあちゃんから日本食を受け継いできた妻は大豆を買ってきて味噌や豆腐を造る。醤油は今やブラジル人の家庭でも調味料として親しまれておりどこのスーパーでも売っている。最近ではブラジル産の日本米が近所のスーパーでも売っている。これは日本食ブームのおかげか。エスピリトサント州に移ってきた36年前は日本米を売っているところはなくブラジル米はポロポロしているので休暇でサンパウロに行ったときにもち米を買ってきてブラジル米に一握りのもち米を入れて少し粘りを出して食べていた。何とか工夫してこちらの食材で日本食に近くならないか妻も盛んに試していた。その中でも味も食感もよいのは今でも我が家の自慢の定番になっている。
日本をはじめ中国や韓国の食材までそろうサンパウロ市内の東洋街、値段も手ごろで誰でも手の届く所にありなんでも好きなものを選んで食べれる時代になった。ここエスピリトサント州の我々はその恩恵はまだ受けてないが少しづつオプションも増えてきている。それとこの土地の郷土料理にも慣れ舌鼓を打っては外に出て自慢している自分を発見する。

味覚は人それぞれ違う。自分で美味しいと感じながら食べることの幸せをこの頃味わっている。そして今このポストを書きながら自分に合ったエスプレッソコーヒーをいれて飲み幸せな気分に浸っている。

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